家を新築すると、最初の数年だけ固定資産税が安くなります。家屋の税額の2分の1が引かれ、一般の住宅なら最初の3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火の建物なら5年度分です。
この減額を受けられる新築の期限が、5年延びました。2031年3月31日までに新築された住宅までが対象です。市町村のページにもこの日付が出ています。どこかでこの日付を見てきたなら、それは正しい情報です。
これから建てる家の話です。すでに建っている家に手を入れて減額を受ける制度は別で、そちらは前の記事にあります。
ところが、その期限を延ばしたのと同じ改正の中に、線がもう1本入っています。2029年4月1日以後に新築された住宅から、一定の区域の内側にある住宅は、この減額の対象から外れます。
期限の延長はもう効いています。この除外はまだ施行されていないので、法令を開いてもいまの条文には出てきません。同じ1つの改正の中で、効き始める日が分かれています。
そしてこの線は、家を工夫しても動きません。設計や仕様ではなく、土地に付いているからです。

その土地に、区域の名前が付いているか
その土地に指定されている区域の名前を、そのまま書き取ってください。「土砂災害の区域らしい」で止めない。書いてあるとおりに写します。自治体のハザードマップと市町村の窓口、両方で確かめてください。
災害に関わる区域の名前が1つでも付いていたら、その土地はこの線に当たる可能性があります。1つも付いていなければ、当たりません。
名前が付いていたら、そこから先は自分で仕分けないでください。仕分けを間違えると、当たらない土地を当たると読むことも、当たる土地を当たらないと読むことも起こります。
区域の名前が付いていても、その中のどこまでが対象になるかは、区域によってはさらに絞り込まれています。書き取った名前は、市町村の資産税課へ持っていってください。この記事は、あなたの土地が対象外かどうかを判定しません。

どの区域にも入っていない土地なら、この線は関係ありません。期限は2031年3月31日までに新築、で変わりません。ここで読むのをやめて大丈夫です。
同じ「建替え」でも、土地によって中身が違う
うちは建替えだから関係ない、と思った人がいるはずです。建替えを除外の外に置く但し書きは、確かにあります。
ただし、その但し書きは1通りではありません。どちらが当たるかは土地で決まり、建替えという事実だけで足りる場合と、前に建っていた家に自分か身内が5年以上住んでいたことまで求められる場合があります。ここでいう身内の範囲を、条文はかなり狭く区切っています。
法律は、その5年の数え方も、どの建替えが該当するかも、政令に預けています。政令の中身を、この記事では確かめていません。どの建替えなら救われるかを、ここで線引きすることはできません。
親が長く住んだ実家を建て替える場合も、区域の名前の確認は省かないでください。条文は「住んでいた」という過去形も拾っていますが、それで足りるかどうかは、その政令と市町村の判定で決まります。
古家付きの土地を買い、建っている家を壊して建てる。これも同じ「建替え」と呼ばれ、郊外に終の住処を建てる人がごく普通に選ぶ道です。ただし前の家で暮らしていた人は売主であって、買った側の身内ではありません。区域の名前が付いた土地でこの買い方をするつもりなら、前の家に誰がどれだけ住んでいたかまで含めて、同じ窓口に聞いてください。
住宅ローン減税にも災害の区域を対象外にする似た見直しがありますが、別の税の別の規定なので、そちらの説明をこの減額に持ち込まないでください。

端がかかっているだけ、では済まない
区域の線が土地の端をかすめている程度なら大丈夫だろう、という読み方もあります。
条文は住宅を主語に置いています。その住宅の一部が区域の内側にある場合はその住宅を含む、と書いてあり、住宅の一部が入っていれば全体が同じ扱いになります。敷地の線が少しかかっているなら、どこまでかかっているかを自分で測らず、そのまま市町村へ回してください。
外れた住宅では、減額が小さくなるのではなく、冒頭の2分の1がまるごと無くなります。一般の住宅の3年度分も、3階建て以上の耐火・準耐火の5年度分も、同じように消えます。認定長期優良住宅を新築する場合にも、同じ線が引かれています。
2029年4月1日という線は、新築された日を数えています。契約した日でも、引き渡された日でもありません。同じ改正の附則には、別の住宅について「取得された日」を基準にした項が並んでいて、新築された日と取得された日は書き分けられています。
その「新築された日」が具体的にどの日を指すのかは、この記事では確かめていません。家づくりで手元にある日付は、たいてい契約日と引き渡し予定日です。家が建つ時期が2029年3月31日の前後で微妙なら、市町村の資産税課へ先に一本電話を入れてください。この家の「新築された日」をどの日で見るのか、を聞きます。
この減額は、土地を選び直す理由にも、着工を前倒しする理由にもなりません。家は、たいていの人にとっていちばん高い買い物です。家屋の税額が数年ぶん半分になることで、その判断を動かしてよいはずがない。
動くとすれば順番です。区域の名前を確かめる作業が、土地を決めたあとから、土地を決める前へ移ります。
土地の候補が出たら、値段と日当たりを見比べる前に、その土地に付いている区域の名前をそのまま書き写しておきます。
2026年8月26日に確認した法令と国の資料の内容によります。新築住宅の減額の期限が2031年3月31日まで延びていることは現行の条文で、2029年4月1日以後に新築された住宅について一定の区域を対象外とする規定は、施行日がまだ来ていない未施行の条文で確認しました。未施行の条文は、以後の改正で内容が動くことがあります。対象外になりうる区域は複数あり、そのうちいくつかは、区域のどこまでが対象になるかがさらに絞り込まれています。本記事は個々の区域名を並べておらず、どの土地が対象外になるかの判定もしていません。建替えの例外について、5年の居住期間をどう数えるか、どの建替えが該当するかは法律が政令に委ねており、その内容は確認していません。但し書きでいう身内の範囲は条文に定めがありますが、本記事では具体的な範囲を示していません。「新築された日」が具体的にどの日を指すかも確認していません。減額の割合と年数は条文で確認していますが、実際の税額は評価額によって変わるため、金額は扱っていません。この減額には床面積の要件があり、減額が及ぶ床面積にも上限がありますが、本記事ではどちらも扱っていません。土地にかかる固定資産税の特例は別の制度で、本記事では扱っていません。認定長期優良住宅の新築は減額の年数が異なりますが、その違いには触れていません。すでに建っている住宅の改修に伴う減額にも触れていません。国の資料の表示は同日時点のもので、その後更新されている可能性があります。

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