除票の保存期間は、令和元年6月20日に5年から150年に延び、そのとき残っていた分にも150年が当てはまりました(戸籍の附票の除票の側は、親の不動産を一覧で探す記事でも触れました)。ところが、住民票が除かれてから5年を過ぎた除票については、写しを出す決まりだけはすぐに当てはめず、遅くとも令和4年5月31日までに当てはめることになっていました。その間、国の決まりでは出す義務がなく、出すかどうかは市区町村が決めました。多くの所は、令和4年1月まで出しませんでした。
松戸市と愛川町は、この時期の断りを、自分の案内の中で「期間経過」「保存期間経過」と書いています。聞いた側には「もう捨てられた」と残りやすい言い方です。言われたのが「保存期間が過ぎている」でも「廃棄済み」でも、保存したまま出さなかっただけなのか、本当に処分したあとなのかは、言葉からは見分けられません。
たとえば、父が平成27年(2015年)の春にA市から別の市へ転出していたとします。A市の住民票はこのとき消除され、除票になりました。父が亡くなり、長男は令和3年(2021年)にA市へ父の除票を請求して、「保存期間が過ぎている」と断られました。消除から約6年。A市はまだ、5年を過ぎた除票を出し始めていませんでした。断られた除票は、保存されていた可能性があります。
5年を過ぎた除票を、市区町村ごとに別の日に出し始めた
出すかどうかが市区町村の判断だったので、出し始めた日もそれぞれです。

断った相手に、もう一度請求するよう自分のページで呼びかけている自治体もあります。大田区、松戸市、愛川町です。

消除日と、請求先がいま載せている線
比べるのは2つの日付です。断られた年は、請求先が出し始めた日の前でも後でも使いません。
一つは、親の住民票が消除された日です。亡くなって消除されたなら死亡日、転出なら転出日が、おおよその目安になります。
もう一つは、請求先の市区町村がいまページに載せている線です。「この日以前に消除したものは交付できない」、あるいは「この日以降のものは交付できる」という形で書かれています。
線は、冒頭の「そのとき残っていた分」と、すでに処分されていた分との境目です。保存期間が延びた日の5年前の前日、平成26年6月19日に置く市が多いのはそのためです。ただ、5年を過ぎても捨てずにいた市もあったので、日付は市によって違います。出し始めた日はどの市ももう過ぎているので、いま見るのは線だけです。
消除日が線より新しければ、その除票は、請求先のいまの案内では交付の対象に入ります。この例のA市は「平成26年6月19日以前に消除したものは交付できない」と書いていて、父の転出は平成27年春なので、父の除票はA市のいまの案内で対象に入ります。
名古屋市や葛飾区は平成26年3月31日以前の分を、横浜市や世田谷区は1年早い平成25年3月31日までの分を、交付できないとしています。ここまでの話は住民票の除票です。相続登記で親の住所をつなぐ紙にはもう一つ戸籍の附票の除票があり、線は紙ごとに別に書かれていることがあります。附票を請求するなら、附票の欄の線を見ます。板橋区がその例です。

廃棄の証明書を取りに行く前の、1回の請求
権利証を探す記事では、除票が「廃棄済み」と言われたあと、取れない旨の証明書(廃棄の証明書)を請求し、親の権利証を探す手順を書きました。その証明書を請求しに行く前に、この比較を一度だけ挟みます。
線がページに見当たらないときや、消除日が線の前後の数か月に入るときは、請求する前に市民課へ問い合わせます。消除日は死亡日や転出日からの見当なので、線の近くでは前後が入れ替わりえます。消除日と、断られたときに渡された通知書があればそれも手元に置き、その除票を保存しているかを聞きます。
線より新しい側にあれば、前回と同じ名義で同じ資料を添え、窓口か郵送でもう一度請求します。請求先は、親の除票があるA市です。除票はコンビニや、ほかの市の窓口では取れない自治体があります。松戸市は案内に「再請求(有料)」と書いています。
この除票が出てくれば、廃棄の証明書や権利証を探す必要は、なくなるかもしれません。消除日が線より古いとき、再請求しても出てこなかったとき、問い合わせで「保存していない」と言われたときは、廃棄の証明書をもらって、権利証を探す記事の手順へ進みます。
e-Gov法令検索の住民基本台帳法と同施行令、総務省の通知、大田区・松戸市・愛川町・三木市・葛飾区・板橋区・名古屋市・横浜市・世田谷区の除票の案内(以上、2026年10月17日確認)によります。

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