親の住所がつながらない相続登記、法務局に相談する前に権利証を探す

共通組版のアイキャッチ。左に「除票・附票で切れたら、家の中を探す」の文字と「親の住所がつながらない相続登記と、権利証」の小見出し。右の濃い緑の円の中に、文字のない図形。扉が右へ開いた生成り色の金庫があり、扉にはダイヤルと取っ手。中は棚で上下二段に分かれ、上の段には左端に綴じ穴のある紙が一枚、少し傾いて立てかけられ、紙の右上の四角い枠だけが朱色。下の段には書類の束が平らに積まれている シニアの家計管理

取れるだけの除票と附票を取ったのに、登記簿に書かれた親の住所が、どの紙にも載っていなかった。この状態について、東京法務局など東京ブロック管内の法務局が作った相続登記のガイドブックは、親がその不動産を取得したときの登記済証、いわゆる紙の権利証を挙げています。

たとえば、父名義の家。父が平成4年に取得し、登記簿の住所はそのときのA市の住所のままです。父はその後B市へ、さらにC市へ移り、C市で亡くなりました。長男が以前の記事の手順で請求すると、C市の除票の前の住所欄にはB市の住所が載っていて、A市からの転入が載っているはずのB市の除票は「保存期間が過ぎて廃棄済み」でした。父はB市にいたころ本籍も移していて、最後の本籍地の附票はB市の住所から始まり、移す前の附票も廃棄済みでした。この例で探すものは、平成4年に父が受け取った紙です。

「例:父の住所は、どの紙に載るか」と題した帯の図。横軸は左からA市、B市・転籍前、B市・転籍後、C市で死亡。A市の列だけ薄く色がついている。1本目「登記簿の住所」はA市の列だけに色付きの帯「A市・平成4年取得」。2本目「C市の除票」はB市・転籍前からC市までの白い帯「C市と、前住所のB市」。3本目「B市の除票」はA市からB市・転籍後までが灰色の点線の帯「廃棄済み(A市が載るはず)」。4本目「転籍前の本籍地の附票」はA市からB市・転籍前までが点線の帯「廃棄済み(A市が載るはず)」。5本目「最後の本籍地の附票」はB市・転籍後からC市までの白い帯「B市から」。赤字の注記「取れた紙は、どれもA市の列に届かない」
市外から移った人の除票は一つ前の住所まで、附票は本籍を置いた日から。取れた2枚はどちらもその仕組みどおりB市で止まっていて、請求の仕方を変えてもA市の列には届きません(図:ゆたか日和編集部〔公式情報をもとに作成〕)。

権利証は、全国版の案内の一つ先に出てくる

法務局が全国向けに出している相続登記のハンドブック(令和8年4月版)は、登記簿の住所が本籍と違うときに同一人だと示す書類として、住民票の写し・除票の写し・戸籍の附票の写しの三つを挙げています。権利証には触れていません。この案内どおりに除票と附票を取り終えた人は、ここから先の書類の名前に出会いません。

東京ブロックのガイドブックでは、その除票・附票のすぐ下の行に登記済証が置かれています。

東京ブロック管内の法務局の相続登記ガイドブックにある必要書類チェックリストの2行。9番は「①被相続人の住民票の除票 又は ②戸籍の附票写し(本籍が記載されたもの)」で、※「被相続人の最後の住所が登記記録上の住所と異なる場合や被相続人の本籍が登記記録上の住所と異なる場合に必要です。」。その下の10番は「登記済証」で、※「登記済証は、被相続人の最後の住所が登記記録上の住所と異なる場合で、上記9の住民票の除票や戸籍の附票でもつながらない場合に必要です。」
9番と10番の※は、同じ「被相続人の最後の住所が登記記録上の住所と異なる場合」から始まります。10番にだけ「上記9の住民票の除票や戸籍の附票でも」つながらない、という条件が足されています(出典:東京法務局ほか東京ブロック管内法務局・地方法務局「相続登記ガイドブック 詳細編 申請書の書き方編(3)法定の割合による相続」1-3-17頁から編集部が一部を切り出し。2026年10月14日確認)。

相続登記に権利証は原則として要らない、と説明されることがあります。東京司法書士会のQ&Aもそう書き出したうえで、附票などでも住所の移り変わりがつながらない場合などに権利証を使うことがある、と続けています。除票や附票で住所がつながる人にとっての「要らない」です。

ただ、権利証の重みには上限があります。この例では、平成4年の住所が載っているはずの除票と附票が、どちらも廃棄済みでした。同じガイドブックのQ&Aは、除票と附票が廃棄済みで取れない場合について、こう答えています。

「実務上、廃棄処分等により除籍等の謄本交付することができない旨の市町村長の証明書に加えて、登記済証の写しを添付する場合などがあります。詳しくは、管轄の法務局にお問い合わせください。」

「場合などがあります」です。権利証は名前の挙がった候補で、それがあれば足りるという書き方ではありません。

受付年月日を見てから、家の中を探す

登記済証は紙の権利証の正式な名前で、そのあとに始まった方式が登記識別情報です。どちらが渡されたかは、受付年月日で見当がつきます。

親の住所を確かめた登記事項証明書(登記簿の写し)の甲区、つまり所有者の欄で、父が所有者になった登記の受付年月日を見ます。登記識別情報への切り替えは、平成17年(2005年)3月から登記所ごとに順に進みました。それより前の受付なら、紙の権利証が渡されています。この例は平成4年なので、家のどこかにあるはずの紙です。

平成17年3月よりあとの受付なら、紙だったか登記識別情報だったかは登記所によって違います。家で両方を探し、出てきたのが登記識別情報の通知なら、それが使えるかを相談で聞きます。

探す場所は、金庫、仏壇の引き出し、書類箱など、親が大事な紙をしまっていた所です。目当ては、その不動産を取得して登記が終わったときに、法務局から渡された書類です。

この例のように除票や附票が廃棄済みで取れなかったなら、取れない旨の証明書を、廃棄済みと言われた市区町村に請求しておきます。名前は廃棄証明書など自治体で違い、手数料も違います。Q&Aの答えに出てくる「市町村長の証明書」にあたるかは、相談のときに確かめます。廃棄された紙について出す証明なので、どれも取れたのに住所が載っていなかった場合には、この手順はありません。

相談の前に取っておく紙は、ここまでです。登記事項証明書、取れた除票と附票、廃棄の証明書(取れなかった紙があれば)、見つかれば権利証を持って、管轄の法務局の登記手続案内を予約します。

相談は20分、審査は申請のあと

登記手続案内は予約制で、1回20分以内です。法務局のよくある質問によれば、申請前に書類を見せても、確かめてもらえる範囲は一般的な添付書類がそろっているかを時間内で見るところまでです。正式な審査は申請したあとに登記官が行い、補正や追加の資料を求めることもある、とも書いています。福岡法務局のリーフレットは「担当者が申請前の書類に不備がないか審査することはできません」と明記しています。

相談の窓口は、どの組み合わせで出すかの見通しを示すところです。その組み合わせで通るかどうかは、申請したあとの登記官の審査で決まります。

紙の権利証が出てこなかった場合について、司法書士の解説や、法務局向けの通知を転載したページは、固定資産税の納税証明書、不在籍証明書・不在住証明書、相続人全員の上申書といった名前を挙げています。全国版のハンドブックにも東京ブロックのガイドブックにも、どれも出てきません。どれを求めるかは法務局によって扱いが違うことがある、と複数の司法書士が書いています。

これらは、廃棄の証明書とは順番が逆です。法務局の資料に名前が出てこない書類なので、先に取りそろえず、相談の最初に権利証が出てこなかったことを伝え、そのうえで名前を挙げて「この組み合わせで足りるか」を聞きます。そこで挙がったものから取りに行きます。

東京ブロック管内法務局「相続登記ガイドブック」(令和5年作成。申請書の書き方編・Q&A編)、法務局「登記手続ハンドブック」相続登記(令和8年4月)、法務省「新不動産登記法Q&A」、法務局の登記手続案内とよくある質問、福岡法務局「登記手続案内」、司法書士事務所の解説(以上、2026年10月14日確認)と、東京司法書士会「相続登記申請義務化Q&A」(2026年10月9日確認)によります。

ふくふくさん

こんにちは、ふくふくさんです!😊

このブログでは、シニア世代の皆さんが安心して暮らせる「お金」「健康」「生活の知恵」について発信しています。

運営の想い
年金生活や資産運用、健康管理など、60代からの暮らしにはちょっとしたコツが必要です。
「老後の資金はどう増やせばいい?」「健康を維持するには?」そんな疑問に答えながら、無理なく豊かな生活を送るヒントをお届けします。

こんな人におすすめ!
✔️ 老後の資産を安全に運用したい方
✔️ 節約しながら豊かに暮らしたい方
✔️ シニア向けのお得情報を知りたい方

「安心して楽しく暮らせるシニアライフ」を一緒に考えていきましょう!

ふくふくさんをフォローする
シニアの家計管理
シェアする
ふくふくさんをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました