親の相続が始まったことと、この土地を相続で取得したこと。この二つを令和6年4月1日より前に知っていたなら、土地の相続登記の期限は令和9年3月31日です。それ以後に知ったなら、二つとも知った日から3年です。2026年9月26日の時点で、令和9年3月31日まではおよそ半年あります。
兄弟など相続人のあいだで、土地の分け方がまだ決まっていないなら、その状態のまま期限に間に合わせる手続きがあります。相続人申告登記です。期限までにこれを申し出た人は、相続登記の義務を果たしたものとみなされます。
建物の登記は滅失登記を済ませても、土地の登記は親の名前のまま残ります。
相続分の割合を決めないまま出す届け出
法務局へは、親に相続が始まったことと、自分がその相続人であることを申し出ます。法務省の案内によれば、「法定相続人の範囲・法定相続分の割合の確定が不要」です。

登録免許税はかからず、基本の書類は、申出書、自分が相続人だと分かる戸籍の証明書、住所を証する情報の三つです(法務省の案内、2026年9月26日確認)。
一人で申し出られますが、義務を果たしたとみなされる効果は、申し出た本人にしか及びません。ほかの兄弟の分は、その兄弟から委任を受けて、案内のいう「他の相続人の分も含めた代理申出」の形で出せば、代理された兄弟も申し出たことになります。この場合は委任状も添えます。
市役所へ現所有者の申告や相続人代表者の届を出していても、相続人申告登記を済ませたことにはなりません。現所有者の申告は固定資産税のために市町村へ出すもので、根拠の法律も出す先も違います。
分割が申出より先に済んでいたら
申し出るより前に遺産分割が済んでいると、この届け出は効きません。
条文は、義務を果たしたとみなす範囲から「申出の前にされた遺産の分割」による取得を外しています。法務省の案内も、遺産分割に基づく相続登記の義務はこの届け出では果たせない、と書いています。

その場合、分割で土地を得た人は、期限までに、名義を自分へ移す相続登記を申請します。
ですから、今日確かめることは一つで足ります。この土地を誰のものにするか、相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)でもう決まっているか。話し合いが調わず、家庭裁判所でも分け方がまだ決まっていないなら、申出で間に合う側です。

申出のあとで分割が決まったら
自分の申出を済ませた人が、そのあとの分割で土地を得たときは、分割の日から3年以内に相続登記を申請する、という別の期限が新しく立ちます。
もう一つ、この届け出は土地が誰のものかを示す登記ではありません。売るときや抵当権を付けるときは、その前に相続登記が要ります。
分け方が決まる前に、期限までに申し出た人にとって、暦で決まっていた期限はそこで片づきます。その先は、兄弟が分け方を決めた日か、売ると決めた日に、この土地の登記がもう一度動きます。

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