補聴器を医療費控除に使うには、耳鼻科で書いてもらう書類が要ります。
この書類、保険が効きません。全額自費です。
そして値段は医院ごとにばらばらで、1,500円のところもあれば、5,500円のところもある。

受診料と合わせると、手続きにかかる実費はだいたい4,000円前後。
安い補聴器だと、戻ってくる税金がこの4,000円に届きません。
効いているのは、収入だけではありません
実は、書類を作っている学会自身が「患者負担がかえって増えることもある」と書いています。

ただ、学会が挙げているのは収入です。収入だけでは決まりません。もう一つ大きいのが、その年にほかの医療費がどれだけあったかです。
分かれ目は、だいたい13万円
ここからは、年金収入が310万円くらいのひとり暮らしの人を例にします。
医療費控除は、その年の医療費のうち10万円を超えた分が対象になります。最初の10万円は、どの医療費だろうと引かれてしまう。年金収入がこれより少ない人は、引かれる額も10万円より小さくなります。
なので、その年に補聴器しか医療費がない人は、まず10万円を埋めるところから始まります。
このとき元が取れるのは、だいたい13万円あたりから。
ところが、その年すでに入院や手術や歯の治療で10万円を超えていた人は、話が変わります。10万円はもう埋まっているので、補聴器の代金がまるごと対象になる。
こちらは3万円くらいの補聴器でも元が取れます。
同じ人が、同じ書類を、同じ値段で頼んでも、その年しだいで4倍以上ちがう。
だから、予約の電話で聞いてください
やることは一つだけです。
耳鼻科を予約するとき、「補聴器の診療情報提供書、文書料はいくらですか」と聞く。
それだけで、自分の分かれ目が決まります。
もうひとつ迷いどころがあって、その年の医療費が固まるのは12月です。ところがこの書類は、買う前でないと書いてもらえません。あとから「やっぱり」は効きません。
なので、迷ったら頼んでおくほうが安全です。頼まずに10万円を超えてしまった場合は取り返せませんが、頼んで超えなかった場合の損は4,000円で止まります。
買う時期を決めるのは聞こえのほうです。税のほうで決めていいのは、その一台について書類を頼むかどうかだけ。
2026年8月時点。金額は年金収入310万円(総所得金額等200万円)・ひとり暮らし・年金収入だけの場合の目安です。総所得金額等が200万円に満たない人は、差し引かれるのが10万円ではなく総所得金額等の5%になるため、分かれ目はこれより下がります。窓口負担の割合でも前後します。文書料の1,500〜5,500円は、料金をサイトに公開している6つの医療機関を調べた範囲です。

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