相続登記の申請で市区町村の側から借りる数字は、土地1筆(登記簿で一つと数える土地の単位)につき1つです。固定資産の「価格」で、登録免許税はこの数字から計算します。その数字は、毎年親宛てに届いていた固定資産税の課税明細書に、すでに載っています。
ここで扱うのは、登録免許税のための価格の確かめ方だけです。登記簿の親の住所が最後の住所とつながらず、権利証も無い家が固定資産税の証明書(評価証明書など)で住所を確かめる場面は、権利証もない相続登記の記事の側の話で、明細書で代わりになるかは確かめていません。相続人申告登記(相続人であることを法務局に申し出るだけの手続き)なら登録免許税がかからないので、名古屋市は評価証明書などを取る必要はないとしています。
例として、名古屋市内に親名義の土地が5筆ある家を考えます。自宅の敷地が4筆、残る1筆は公衆用道路になっている私道の持分で、固定資産税はかかっていません。相続登記は2026年11月に申請する予定で、親が4月に受け取った令和8年度の納税通知書と課税明細書が、実家に残っています。この家で確かめる価格は5つです。

明細書で読む欄と、その年度
名古屋市は、課税明細書のコピーを申請書に添えれば登記の申請ができ、評価証明書は取らなくてよいと案内しています。

明細書の中で使うのは「価格」の欄です。市によっては「評価額」と書かれています。近くに「固定資産税課税標準額」という別の金額も並びますが、これは価格と一致しないことがあり、法務局の相続登記の案内も取り違えないよう名指しで注意しています。

どの年度の明細書を使うかは、申請する日で決まります。どの時点の価格を使うかは市ではなく国の法令が決めていて、東京の法務局の相続登記ガイドブックは、申請する年度(4月1日から翌年3月31日)の価格で確かめる、としています。2026年11月の申請は令和8年度(2026年4月〜2027年3月)に入るので、この春に届いた令和8年度の明細書がそのまま使えます。申請が2027年4月以降にずれ込めば、令和9年度の明細書が届くのを待つか、証明書を取ることになります。
明細書が届く時期は市で違います。名古屋市・川崎市は4月ですが、東京23区は6月なので、23区で4月・5月に申請するなら新しい年度の価格は明細書で確かめられず、都は評価証明書を取るよう案内しています。
明細書を登記に使えると公式に書いているのは、確かめた範囲では名古屋市のほか、東京23区、大阪市、川崎市、横浜市、兵庫県高砂市です。それ以外の市区町村では、明細書で足りるとまでは言えません。土地のある市区町村が登記の申請向けに出している案内に明細書が出てこなければ、申請先の法務局に、明細書のコピーで価格を確かめてよいかを聞きます。
明細書で読めないとき
私道の持分のように固定資産税がかからない土地は、明細書に価格が載りません。名古屋市では名寄帳(その人が市内に持つ土地・家屋の一覧)にも載りません。名寄帳に非課税の土地が載るかどうかは、市によって違います。
だからこの1筆は、市で紙を頼む前に、申請先の法務局に聞きます。明細書に価格が載らないので、法務局が近くの似た土地を指定し、その土地の証明書を取るよう求めることがある、と大阪市や横浜市は書いています。聞くのは「固定資産税のかからない私道の持分が1筆ある。価格は何で確かめればよいか」の一つです。
もう一つは、明細書そのものが見つからない場合です。名古屋市は明細書を再発行しないので、評価証明書か名寄帳で価格を確かめるよう案内しています。

2026年10月1日からの名古屋市の手数料では、評価証明書は1筆400円なので敷地の4筆で1,600円、名寄帳の写しは持ち主1人・1区・1年度ごとに400円なので、4筆が同じ区にあれば400円です。名寄帳の写しを価格の確認に使えると告知している法務局もあります(東京法務局町田出張所、横浜地方法務局大和出張所)が、法務局の案内がみな名寄帳に触れているわけではありません。
この家で明細書が見つからなければ、私道の1筆を法務局に聞くとき、敷地の4筆は名寄帳の写しでよいかも同じ電話で聞きます。よければ名寄帳、だめなら評価証明書を市に頼みます。
2026年10月21日時点。名古屋市の課税明細書の利用案内・市税の証明手数料・名寄帳の案内、東京都主税局の課税明細書のリーフレットとよくある問合せ、大阪市・川崎市・横浜市・高砂市の固定資産の証明の案内、東京ブロック管内の法務局の相続登記ガイドブック、前橋地方法務局のチラシ、東京法務局町田出張所と横浜地方法務局大和出張所の告知(以上、2026年10月21日確認)によります。

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