固定資産税・都市計画税の納税通知書には、課税明細書が同封されています。その家屋の欄に、「減額税額(固)」という金額の欄があります。新築住宅の減額が乗っていれば、そこに金額が入ります。空のままなら、乗っていません。
この紙は、これから買う人が誰かに頼んで見せてもらう書類ではありません。すでに持っている人のところへ、その人の名前で、毎年届きます。
先に書いておきます。23区でこの減額に申告が要るのか要らないのかは、この記事を読み終えても決まりません。決まらないまま、自分がこの先どうするかは決まります。

「申告は不要です」は、よその市が自分の市について書いた一文
この減額に申告は要らない、と書いてあるページは実在します。横浜市と神戸市です。23区の家について書いたものではありません。

横浜市のページには、この制度の適用にあたって申告は不要です、と書かれています。神戸市も、手続きは不要です、と書いています。どちらも、その市が自分の市の家について書いた一文です。
東京都主税局にも、この減額を申告の要らないほうに置いている資料があります。23区内の軽減制度をまとめた一覧で、そこでは新築住宅の減額が「申告等が不要」、認定長期優良住宅が「申告等が必要」に分けられています。ただし、この一覧の更新は2024年11月で止まっていて、令和8年度に変わった要件がまだ入っていません。ここで読んでいるのは要件ではなく、申告についての分類です。
令和8年度の納税通知書に同封されているチラシには、期限までに申告・申請してくださいという枠があります。家屋を新築または改修した場合として挙がっているのは、耐震化のための建替え、耐震化・バリアフリー・省エネの改修、新築の認定長期優良住宅です。一般の新築住宅は、ここには挙がっていません。
だから、検索して先に当たるよその市の一文は、23区の家の根拠になりません。
東京都の条例は、その申告書を出せと書いている
一覧も、同封のチラシも、東京都が読み手に向けて作った案内です。条文は、その外にあります。
東京都都税条例の附則第15条第1項は、一般の新築住宅についても、書類を添えた申告書を知事に提出しなければならない、と書いています。認定長期優良住宅と同じ一つの項の中に、並べて書かれています。
その申告書の様式も実在します。「固定資産税減額申告書(新築住宅)」という様式が公開されていて、その文面には、いま挙げた条項に基づいて申告します、と印刷されています。条例が名前を挙げている書類は、実物として存在しています。
一覧は申告の要らないほうへ分類し、条例は申告書を出せと書いている。どちらが実際に効いているのかは、公開されている資料からは決まりません。
では、期限までに出しておけばよかったのか。
その期限は、紙が届くより前に置かれている
条例が一般の新築住宅について書いている期限は、当該年度の初日の属する年の1月31日です。

一般の新築住宅の側で、この期限は年度に結び付けて書かれています。住宅が新築された日には結び付いていません。
一方、減額が乗ったかどうかを読める紙は、その年度の納税通知書と、同封されている課税明細書です。その年度の通知書ですから、手元に来るのは年度が始まってからになります。

期限が先に来て、紙はあとから来ます。届いた紙で確かめてから期限に間に合わせる、という順番は、初めから取れません。
条例には、固定資産に係る不申告について過料を定めた条文が別にありますが、この申告義務はその対象に入っていません。期限を過ぎたあとの提出を救う項も同じ条例にありますが、そちらが及ぶのは認定長期優良住宅の部分だけで、一般の新築住宅は外れています。認定長期優良住宅の申告について書いたのは、その側の話です。罰が待っているわけではなく、過ぎたところから自動で戻る仕組みも、条文には書かれていません。
電話で最初に言うのは、申告の話ではない
乗るはずの年度がまだ残っているのに空なら、家屋のある区の都税事務所に連絡します。何年度分乗るのかは、また別の数え方で決まります。
そのとき最初に言うのは、「申告していませんでした」ではありません。「新築住宅の減額が乗っていないようです」です。申告が要ったのかどうかを、こちらが先に決めてから電話する必要はありません。乗っていないという観察だけで、話は始められます。
急ぐ話ではありませんが、置いておく理由もありません。
そもそも減額に入れるかどうかを決める要件——広さなど——の側は、この記事の外です。線に当てる床面積が、買う前の人の手元の書類のどれにも載っていないことは別に書きました。乗ったかどうかのほうは、そちらと逆で、届いた紙の上にあります。
その一行を読む日が、まだ来ていない人へ
ここまでは、明細書がもう届いている人の話です。
これから建てる人、これから買う人にとって、この減額が自分の税額に乗ったかどうかを確かめられる最初の機会は、引き渡しの日ではありません。最初の納税通知書が届く日です。それより前に確かめる手段は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
新築のあとには家屋の調査があります。ただしその調査についての東京都の説明は、それを評価のための調査として書いていて、この減額の申告には触れていません。
申告が要ったのか要らなかったのか。その答えを持たないままで構いません。違うのは、家屋の欄のあの一行を読む日が、もう来ているか、これから来るかだけです。
2026年9月8日に確認した東京都都税条例の条文と、同じ日に公開されていた東京都主税局の23区内の軽減制度をまとめた一覧、家屋調査について同じ主税局が書いているよくある質問、令和8年度の固定資産税・都市計画税納税通知書に同封されているチラシ、「固定資産税減額申告書(新築住宅)」の様式の文面、および横浜市・神戸市のページによります。一般の新築住宅についても申告書の提出を求めていること、その期限が年度に結び付けて書かれていること、認定長期優良住宅の側だけが新築された日から始まる期間の終わりとして書かれていることは、東京都例規集の条例本文で確かめました。不申告の過料を定めた条文がこの申告義務を対象に含めていないこと、期限を過ぎたあとの規定が認定長期優良住宅の部分に限られていることも、同じ条例で確かめています。課税明細書の家屋の欄に「減額税額(固)」という欄があり、地方税法の規定による減額の適用がある場合にその額が記載されることは、令和8年度の同封チラシで確かめました。軽減制度の一覧のPDFは、更新が2024年11月のままで令和8年度の改正を反映していません。ここで使ったのは、この減額が「申告等が不要」に分類されているという一点だけで、要件の側は現行の資料によっています。確かめたのはここまでです。条例が定めるこの提出を、都が個別に求めている場合があるかどうかまでは見ていません——ここも、本文で保留した「どちらが実際に効いているのか」の内側にあります。
確かめられていないことを書いておきます。23区の都税事務所が、申告がなくてもこの減額を適用しているのかどうかは確認できていません。一覧の分類と条例の条文のどちらが実務で効いているのかを示す東京都の記載も、見た範囲では見つかりませんでした。本文が、申告が要るのか要らないのかを書いていないのは、このためです。23区の納税通知書がいつ発送されるのかについての公式の記載も取れておらず、本文に月を書いていないのもそのためです。「当該年度の初日の属する年の1月31日」という期限が、減額の適用される年度ごとに置かれるのか、最初の年度についてだけ置かれるのかを示す東京都の記載も見つかっていません。同封チラシは令和8年度のもので、翌年度の版で記載が変わることがあります。
この記事の外に置いたものもあります。減額される額と税額の計算、金額には触れていません。要件の中身、乗る年度数の数え方、認定長期優良住宅の申告の手続きにも触れていません。課税明細書の摘要欄に出る他の表示、申告書の様式そのものや添付書類・提出先も扱っていません。他の市町村がどう書いているかを網羅してもいません。見たのは横浜市と神戸市の記載までです。ここで見たページの表示はどれも2026年9月8日時点のもので、その後に書き換わっている可能性があります。

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