実家の建て替えと土地の税。1月1日の横に並べる、確認申請の受付と基礎工事の着手

共通組版のアイキャッチ。左に「着工の締切は、自治体ごとに違う」の文字と「実家を建て替えるときの、土地の固定資産税」の小見出し。右の濃い緑の円の中に、文字のない図形。横に引かれた地面の線の上に、杭2本と横板でできた遣り方が左右に一組ずつ立ち、二つの横板のあいだに水糸が一本張られている。水糸の中央から点線が下り、その真下の地面だけが四角く朱色に掘り下げられている シニアの家計管理

1月1日に見られるのは、新しい家の基礎工事が始まっているかどうかです。そのうえで、原則として翌年の1月1日までに家が完成していること。解体の日は、どの1月1日をまたぐかを決めるだけで、それ自体は見られません。

「1月1日までに確認申請が受け付けられていれば、基礎工事は3月末までに始めればいい」というのは、東京都などが独自に決めている扱いです。調べた範囲では、1月末までとする市もあれば、案内に書いていない市もあります。

建て替えのあいだの土地を、家が建っている土地と同じに扱うこの特例は、前の家と同じ敷地に、同じ持ち主が建て替える場合のものです。親の家を子が建て替える場合も、持ち主の範囲を案内に書いている市は、調べた限りどこもこの「同じ持ち主」に含めています。

地鎮祭の日は、着手の日に入らない

着手の日として並べるのは、基礎工事に取りかかる日です。工程表の「着工」が地鎮祭や地盤改良の日を指しているなら、それは別の日付です。

鳥取市の建替え特例のページの一段落。「(※1)新築工事に着手しているとは、根切り工事等の住宅の基礎工事に着手している場合を指します。整地、地鎮祭、縄張り、水盛、遣方等の段階は含まれません。」
整地から遣方まで、外される側には土を掘る前の作業が並びます。着手の例に挙がっている作業は、掘り始める根切り。

東京都は、地鎮祭・地縄張り・地盤改良を着手から外したうえで、水盛りや遣り方までは着手に数えます。鳥取市は、そこも外しています。根切りまで進んでいれば、どちらでも着手です。

受付の日付が効くかどうかは、自治体が決めている

東京都(23区)では、確認申請が1月1日までに受け付けられていれば、基礎工事の着手は3月末まで待ってもらえます。1月1日の時点で着手していること、という国の通知の原則に、東京都がこの延長を上乗せしている形です。

主税局の案内では、着工時期の欄にこう書かれています。

東京都主税局の案内「住宅を建て替える土地の特例措置のご案内」の一部。「❷着工時期」のラベルの横に「当該年度に係る賦課期日において、住宅の新築工事に着手している。」、その下に下線付きの「または、」に続けて「建築主事または指定確認検査機関が、住宅の新築に関する建築確認申請書を当該年度の賦課期日までに受領していることが受領印等により確認でき、かつ、当該年度の賦課期日後の3月末日までに住宅の新築工事に着手している。(ただし、事前審査のための確認申請書の提出は該当しない。)」
国の通知の原則と中身が同じ一文と、受付の日付で3月末まで延ばす一文が、一つの「着工時期」の欄に「または」でつながっています。この紙面だけでは、どこからが東京都の決めた扱いなのかは見分けられません。

ここでいう受付は、建築主事や確認検査機関が申請書を受け取った日で、受領印などで確かめられる日付です。事前審査のために出した書類は、これに当たりません。

同じ扱いは、国立市や鳥取市も案内に書いています。小平市は、1月末までに基礎工事に着手していること、としています。案内に延長のことを何も書いていない市もあります。

「基礎工事の着手は、いつまでに」という題の図。横軸に1月1日、1月末、3月末の3本の縦の点線。「国の通知の原則」の帯は1月1日の線で終わり、「小平市」の帯は1月末の線で終わり、「東京都(23区)など:確認申請の受付が1月1日まで」の帯は3月末の線まで伸びている。1月1日から3月末までのあいだは薄い緑に塗られている。下に赤字で「受付が1月2日以降なら、東京都も1月1日が期限」
1月1日の線より右へ伸びた分は、国の通知の原則の帯には無い分です。「東京都(23区)など」の帯には、確認申請の受付という条件が付いています。

延長のある23区でも、ひと月の遅れで外れた例があります。東京都の行政不服審査会の答申が扱った事案では、2022年中に家を取り壊し、新しい家の書類を確認検査機関が受け付けたのは2023年2月1日で、その年度は特例が外れました。コロナで帰国できなかったという訴えも、個別の事情を考える法令上の根拠は無いとして退けられています。

自分の市の期限と、工程表の二つの日付

まず、自分の市の建替えの特例の案内を開きます。23区なら東京都主税局の案内です。名前は市によって違い、「住宅を建て替える土地」「建替え中の土地」などと書かれています。

見るのは、基礎工事に着手する期限が何日か、そして確認申請の受付でその期限が延びるかどうかです。

小平市のページ「住宅の建て替えをするときの土地の課税について」の一部。「特例要件」の見出しの下に番号付きの要件が並び、「1. 建て替え前の土地が、前年度の賦課期日現在、住宅用地であったこと。」「2. 当該年度にかかる賦課期日後の1月末日までに、住宅の基礎工事に着手していること。」
この要件の文面では、期限は1月末日という日付で書かれ、確認申請の受付は出てきません。自分の市の案内で探すのは、要件の並びの中のこの一行に当たる文です。

延長のことが案内に書いていなければ、1月1日の時点で着手している必要があるものと考えて、市の固定資産税の担当(23区は都税事務所)に確かめます。

そのうえで、工務店に工程表を出してもらい、二つの日付を書き込んでもらいます。確認申請が受け付けられる日と、基礎工事に着手する予定の日です。これを、1月1日と自分の市の期限の横に並べます。

年が明けてひと月で、申告書の締切が来る自治体がある

日付がそろっていても、申告書が出てはじめて特例を付ける自治体があります。家を取り壊したことを市へ伝える手続きとは別の、土地についての申告です。東京都・国立市・鳥取市は、この申告書の提出期限を、住宅を取り壊した翌年の1月31日としています。基礎工事の着手の期限(3月末や1月末)とは別の、書類の締切です。東京都では、この申告書に、受領印のある確認申請書の写しを付けます。

工程表を見ながら気にかけておくのは、1月1日という一日ではなく、その前後にまたがる期間です。その期間は、確認申請が受け付けられる日に始まり、自分の市の案内にある期限が最後の一つまで過ぎたところで終わります。

2026年9月時点で公開されている総務省の通知、東京都主税局と各市の案内、東京都行政不服審査会の答申によります。

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