遠方から出す滅失登記、業者の証明書で見ると郵送とオンラインは「申請と同じ便か」で分かれる

共通組版のアイキャッチ。左に「申請と紙を、同じ便に乗せる」の文字と「取り壊した建物の滅失登記と、オンライン申請」の小見出し。右の濃い緑の円の中に、文字のない図形。左下に横罫の入った生成り色の紙が一枚、少し傾いて置かれ、右下に朱色の丸い印影がある。紙の上から点線が弧を描いて右上へ伸び、その先を生成り色の紙飛行機が飛んでいる シニアの家計管理

申請そのものは、郵送もオンラインも登記所へ出向かずに出せます。遠方から紙の証明書を届けるという点で見ると、二つは、取り壊した業者から受け取った証明書が申請と同じ便で着くか、別便になって申請とは別の期限を持つかで分かれます。一度で済ませるなら、申請書とその証明書を1つの封筒に入れて郵送します。紙を後から届ける期限は、そもそも生まれません。

記載例に並ぶ添付は、業者が書く一枚

法務省の記載例では、建物滅失登記の申請書の添付情報の欄に「建物滅失証明書」の1点が書かれています。相続人が出す滅失登記の記事でも触れた、取り壊した業者の証明書のことです。

法務省の記載例PDF「建物を取り壊し、建物の滅失の登記を申請する場合」の2ページ目「建物滅失証明書の例」。建物の表示(○○市○○町二丁目12番地、家屋番号12番)、滅失の理由(令和元年6月28日取壊し)、所有者(○○県○○市○○町二丁目5番6号 法務太郎)に続けて「上記のとおり建物を取り壊したことを証明します。」とあり、日付の下に「株式会社○×工務店 代表取締役 甲野一郎 印」
「所有者」の欄に法務太郎の名前が入り、「証明します」の結びの下には工務店の代表者の名前と印があります。申請書に添えるこの一枚は、書く人と出す人が別です。

記載例の注記は、この証明書に業者の印鑑証明書を添え、業者が会社なら代表者の資格を証する書面(登記事項証明書など)も添える形を示しています。鳥取地方法務局の確認表は、証明書を「実印が押印されたもの」と書きます。

この証明書は、申請する人が自分で作れる書類ではありません。名義人本人が出しても、相続人が出しても、この一枚は業者から受け取った紙として手元に来ます。記載例も確認表も、印を押した紙の証明書を前提に書かれています。

法務局の建物滅失のオンライン申請の案内と操作マニュアルは、申請する人として所有者本人を書き、相続人が出す場面を書いていません。この先の受付や紙の期限は法令の決まりで、案内が決めたものではありません。ただ、それをオンラインでたどる手順は、本人が出す前提で説明されています。相続人として出すなら、手順を資料でたどれる経路は郵送です。

送信のあとに始まる、紙の期限

オンラインでは、申請を送信したあとに登記所の受付が立ちます。証明書の紙をあとから出す方式(特例方式)なら、その紙を受付の日から2日以内に登記所へ着かせます。

法務省「不動産登記令附則第5条第1項の規定による申請(いわゆる特例方式)について」のページの一部。「(6) 特例方式により添付書面を送付の方法により提出するときは,書留郵便等によって受付の日から2日以内に登記所に到着するようにして送付願います。また,当該添付書面を入れた封筒の表面に添付書面が在中している旨を明記願います。」
紙をあとから送るなら、送信した申請とは別に、紙を入れた封筒を一つ用意します。その表にも添付書面が在中している旨を書き、受付の日から数えた期限までに着かせます。

紙を持って行くか送るかは選べます。どちらにしても、申請とは別の便です。

「業者の証明書は、申請と同じ便か別便か」という題の図。横に3本のレーンがあり、中央の縦線「登記所で受付」で左右に分かれる。1本目「郵送(1つの封筒)」は左側だけに「申請と紙が一緒に着く」の帯があり、右側は空。2本目「オンライン:申請」は左側だけに「申請を送信」の帯。3本目「オンライン:証明書の紙」は左側が空で、右側の緑の網の区間に「紙だけ別便で届ける」の帯がある。右側の区間の下に「受付の日から2日以内に到着」。赤い注記「特例方式の場合。受付の日は数えず、期限が休日なら翌日」
オンラインでも申請の行は受付の線の手前で終わり、線の右の網の区間には証明書の紙の行が一本伸びています。

証明書をスキャンし、自分の電子署名を付けてオンラインの申請に添える道もあります。ただしその場合も、登記官が決める期間のうちに原本を登記官に見せなければなりません。期限の長さは道によって違っても、紙の期限が申請とは別にもう1本立つ点は変わりません。

封筒ひとつに入れるもの

封筒には、申請書と建物滅失証明書、業者の印鑑証明書を入れ、業者が会社なら代表者の資格を証する書面も入れます。鳥取地方法務局の確認表は、申請書に業者の会社法人等番号を書けば印鑑証明書を省けるとしています。相続人として出すなら、相続を証する書類も同じ封筒に入れます。

大阪法務局は、郵便で出した申請は登記所に着いた日が申請日になると注記しています。投函した日ではありません。

送り方は書留か、配達の記録が残る信書便です。宛先は管轄の登記所で、封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書きます。

封をした封筒の中で、証明書は申請書と一緒に登記所へ向かいます。どの方式で出すかは、その封をした時点で決まっています。

2026年9月時点の不動産登記の法令と、法務省・法務局が公開している記載例・案内・マニュアル・チェックリストによります。

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